

















|

千枝

(……ん?)
購買で買った日替わりサンドとジュースをカウンターに並べていると、図書室の奥から物音がした。
誰もいないと思っていたけれど、すでに利用者がいたのかもしれない。
確認しようとカウンターを出て見に行くと――
千枝

「……艮藤くん?」
艮藤くんが窓から入ってこようとしていた。
私に気づいた艮藤くんは、相変わらずの無表情でこちらを見返してくる。
千枝

「何やってるの?」
艮藤

「……当番なので」
想定外の答えだった。
千枝

(話がかみ合ってない気がする……)
千枝

「えっと、どうして、窓から入ってきたの? 大体、ここ、二階なのに、どうやって?」
艮藤

「急いでいたので……そこの木を、伝って」
そう言って、艮藤くんは身軽に室内に降り立った。
|
|
|
Copyright (C) 2010 Profitrolle All Rights Reserved.
|
|
|