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千枝

「膝枕、してあげよっか?」
左坤

「えっ!?」
何かとスキンシップの多い左坤くんなら、軽く応じてくれると思ったら、驚いた様子で固まってしまった。
千枝

「あ、嫌ならいいの!」
膝枕はやり過ぎかと思って、慌てて言う。
左坤

「そ、そんなことない! 嫌じゃないよ!! でも、ホントにいいの?」
千枝

「あ……」
左坤

「失礼しまーす」
私の返事を待つことなく、左坤くんは私の方へと倒れ込んできて、大腿に頭を乗せた。
左坤

「うわー、ヤバイ、オレ、明日死んじゃうんじゃないの?」
ぽつりと左坤くんが何か呟く。
最初は横向きに頭を乗せていたけれど、据わりが悪いのか、身をよじって顔をこちらに向ける。
千枝

「あ」
左坤

「あ」
目が合って、二人揃って声を洩らした。
そのことが照れくさく、左坤くんの頭の感触も少しくすぐったくて、軽く笑ってしまう。
千枝

「……おやすみ、左坤くん」
左坤

「お、おやすみ」
左坤くんはそう答えて、目を閉じた。
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