ひとふた奇譚
物語登場人物仕様ギャラリーダウンロード製品

ギャラリー


















千枝

「膝枕、してあげよっか?」

左坤

「えっ!?」

 何かとスキンシップの多い左坤くんなら、軽く応じてくれると思ったら、驚いた様子で固まってしまった。

千枝

「あ、嫌ならいいの!」

 膝枕はやり過ぎかと思って、慌てて言う。

左坤

「そ、そんなことない! 嫌じゃないよ!! でも、ホントにいいの?」

千枝

「あ……」

左坤

「失礼しまーす」

 私の返事を待つことなく、左坤くんは私の方へと倒れ込んできて、大腿に頭を乗せた。

左坤

「うわー、ヤバイ、オレ、明日死んじゃうんじゃないの?」

 ぽつりと左坤くんが何か呟く。
 最初は横向きに頭を乗せていたけれど、据わりが悪いのか、身をよじって顔をこちらに向ける。

千枝

「あ」

左坤

「あ」

 目が合って、二人揃って声を洩らした。
 そのことが照れくさく、左坤くんの頭の感触も少しくすぐったくて、軽く笑ってしまう。

千枝

「……おやすみ、左坤くん」

左坤

「お、おやすみ」

 左坤くんはそう答えて、目を閉じた。

お問い合わせ Copyright (C) 2010 Profitrolle All Rights Reserved.